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6-20 恐れていた言葉

last update Last Updated: 2025-12-22 13:26:01

 全ての食事が並べられると、ニコラスはジェニファーに優しく声をかけた。

「ジェニファー。今夜は堅苦しいことは抜きにして、好きなように食べてくれ」

「あ、ありがとうございます」

ジェニファーと呼ばれたことですっかり恐縮する。テーブルの上に並べられた料理は全て難しいマナーなど一切不要なものばかりだった。

(ひょっとしてニコラスは私の為にこれらの料理を用意してくれたのかしら?)

ニコラスの気遣いが嬉しい反面、悲しくもあった。何故なら自分のような者にはテーブルマナーなど学ぶ必要も無いだろうと言われている気がしてならなかったからだ。

(ジェニーだったら……お手本になってくれて、私にテーブルマナーを教えてくれたのに……)

じっとテーブルの料理を見つめていると、ニコラスが声をかけてきた。

「どうしたんだ? 食べないのか? それともどこか具合でも悪いのか?」

「い、いえ。そんなことはありません。どれも美味しそうです」

顔を上げて返事をすると、ニコラスが心配そうな顔で見つめている。

(駄目ね、私って……すぐに否定的な考えになってしまって)

「では、お食事いただきますね?」

「ああ、食べよう」

こうしてニコラスとジェニファー、2人きりの夕食が始まった――

「あの、ニコラス様。ジョナサン様はどうしているのでしょうか?」

食事をしながら、ジェニファーは尋ねた。

「ジョナサンなら、食事が終わってもう眠っている」

「もう眠っていたのですね。あの、寂しがってたりはしていませんか?」

「寂しくならないように、今は仕事中も常に一緒にいるようにしているが?」

「そう……ですか……」

自分の意図している考えとは別の答えが返って来たので、ジェニファーは失望した。

(駄目だわ、ニコラスには私の聞きたいことが伝わっていないのだわ……だけど自分の方から、私がいなくてジョナサンが寂しがっているかなんて聞けないわ)

こんなことを聞いて、己惚れていると思われたくはなかった。

するとニコラスが話しかけてきた。

「ジェニファー。今夜は誘いに応じてくれてありがとう。俺との食事は嫌かもしれないが、大事な話があるんだ。聞いてくれるか?」

「い、いえ。そんな嫌なんてことはありません。それで大事なお話というのは何でしょうか?」

するとニコラスは少しの間口を閉ざし、手元のワイングラスを飲んだ。

「実はフォルクマン伯爵にジェニーの手
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